これは2017年頃に僕の妄想で書いた

アホで夢のあるショートストーリーです。

久々に読み返したら面白かったので再投稿します。

 

小説家になりたいわけでもありませんが

小説投稿サイト小説家になろうにも調子こいて投稿しました。

 

 

 

 

203X年。

2020年から始まった禁煙ブームのおかげで

たばこ産業は衰退していた。

財務省はたばこブームを再燃させるベく、

今までにない前衛的なたばこを開発する組織

「ヤニーズ事務所」を設立。

財務省の回し者である所長のヤニーさんは

日本全国から現代アーティスト、詩人、科学者、デザイナー

などイカれた変態どもを集め、

日々アバンギャルドなたばこの開発に取り組んでいた。

 

 

今日はハイパーオカルティック生物学の第一人者ヤマさんのプレゼンの日だった。

メンバーは皆ワクワクしていた。

 

「あの人マジでやべぇ〜っすからねぇ」

「ぱねぇっすよね〜」

「ボクらの間じゃレジェンドっすからねぇ」

 

 

ヤマさんがやってきた。

ハゲ散らかしまくった白髪頭にヤニで茶色に染まった白衣、

ギョロギョロして血走った眼球、まさに絵に描いたようなマッドサイエンティストである。

 

 

「え〜〜、皆さんお疲れさまです」

「まずは僕の作ったたばこを吸ってみてください」

 

全員にサンプルが配られた。

 

モクモクモクモクモクモク、ぷはぁ〜〜〜〜。

 

 

 

現代アーティストのタカさんが感想を述べた。

 

「香ばしいっすね」

「なんだか夏休みの前日を思い出しちゃいましたよ」

「あのウンコの先っちょがはみ出そうなキュンとする感じっていうのかなぁ〜」

「ワクワクしますね〜」

「へへへ」

 

ぷはぁ〜〜〜〜。モクモクモクモク。

タカさんは遠い目をして思い出にふけっていた。

 

 

 

「さすがタカさん」

「わかってらっしゃいますね」

「そう、このたばこのタイトルはあの夏を忘れないなんです」

 

「まぁ漢方に近いんですがね、、、、」

「成分の80%はヒラタクワガタとカブト虫のすり身」

「15%はクヌギの木とその樹液、残り5%は腐りかけのスイカエキスなんですよ」

「どうせ吸うのは昭和の残党どもですからね、年齢的にも滋養強壮、スタミナ、あと懐かしさも必要かと思いましてね」

「皆さん、夏休みを思い出してください」

「どこからともなく漂ってくるクワガタとカブト虫のニオイ、おぼえていますか?」

「クワガタ飼ってる虫カゴ開けたら、エサにしてたスイカの食べ残しが腐ってたでしょう」

「あのすぅぃ〜てぃ〜なニオイも皆さんの思い出だと思うんです」

「やる気が出ること間違いなしです」

 

 

 

 

 

 

「おおおおおおおお〜〜〜〜〜〜!」

 

 

 

 

誰もが納得していたが

所長のヤニーさんだけはまだ納得していなかった。

 

 

「ヤマちゃんよぉ〜〜」

「懐かしいのはいいんだけどさ〜、なんでさ〜、ヒラタクワガタとカブト虫が滋養強壮に役立つわけ?」

 

 

 

「え?何言ってんすか?」

「知らんのですか?」

 

「6センチ以上のヒラタと力比べしたことないんすか?」

「半端ねぇ〜ですよ!」

「あのアゴの力、ぜってぇーーーおかしいですって!」

「だって、大人でもこじ開けれねぇ時があるんすよ!」

「挟まれて指に穴あいちゃった奴もいるぐらいっすよ!」

「あのスカスカの体のどこにあんな筋力があるのか不思議に思ったことないんすか?!」

「ヒラタとカブトが人間サイズになったらどうなると思います?」

「ゾッとするでしょう?」

「奴ら、ぜってぇーーーこの世の物理に反してますって!」

「この世界、マトリックスだってーーーー!」

 

ダァーーーーン!!

 

ヤマさんは机を思いっきり叩いた。

 

「あの底知れぬ謎の力、このまま放っておくわけにはいかんのです」

「人類の未来の為なんです」

「宇宙の謎だって解けるかもしれないんです」

「所長、お願いします!」

 

 

他のメンバーも団結した。

 

「所長、お願いします!」

「人類の未来の為に!」

 

 

 

ヤニーさんは目をつぶり腕を組んでじっとしたまま聞いていた。

そしてぼそっとつぶやいた。

 

 

 

 

 

「ノーベル賞だな」

 

 

 

 

「え?」

 

 

「これはノーベル賞もんだよ、ヤマちゃん!」

 

 

「本当ですか!」

 

 

 

ヤマさんは心の底から喜んだ。

今まで変態以外の誰からも受け入れられなかった

ハイパーオカルティック生物学が、

55歳にしてようやく認められたのである。

ヤマさんはその日の夜、嬉しさと開放感のあまりデリヘルを呼んで

30年ぶりにフィーバーしまくった。

 

 

 

翌日、ヤニーさんはあの夏を忘れないのサンプルと企画書

をまとめて細川財務大臣にはりきってプレゼンした。

 

「細川さん、たばこ革命おこしちゃいますよ」

「どうですこれ?」

 

 

 

 

「まぁ面白いんだけどね、、、」

 

「実はね、クワガタの力は国家機密なんだよ」

 

 

「はぁ?」

 

 

「君達が関与することは許されないんだ」

 

 

「え?、、いや、、しかし、、、」

 

 

「クワガタと自分の命、どっちが大切かわかるだろ」

「君は国を敵にまわしたいのかね?」

 

 

「は、はぁ、、、、でもですね、、、」

 

 

「ヤニー君!」

 

 

「は、はい!」

 

 

「この件は忘れたまえ!!」

 

 

「承知いたしました!」

 

 

 

その後ヤニーズ事務所は閉鎖を免れたが

「真理を追求しすぎた者死あるのみ」と上層部から脅され、

クソつまらないたばこの開発をするようになった。

そしてヤマさんだけは謎の黒服軍団に命を狙われるようになった。

しかし、若かりし頃オカルト映画を観すぎたヤマさんは

それがちょっと嬉しかったらしく、

「I WANT TO BELIEVE」とプリントされたクワガタTシャツを作り、

ヤバい奴らに追われてる自慢の講演会とTシャツの物販を

全国各地で行い儲けまくっていた。

 

 

それから1ヶ月、

ヤマさんはこつ然と姿を消した。

 

 

ヤマさんは真のレジェンドとして語り継がれたのであった。

 

 

 

 

 

- THE END -

 

 


 

 

先日、ある研究者が自殺したニュースを見て

僕も同じ研究者気質なので心がとても痛みました。

https://news.yahoo.co.jp/pickup/6319927

生き方を否定されるようなことを言われたのかも

しれません。

 

多くの人が自立し自由になって

心の赴くままに自分らしく夢をもって

ワクワクする生き方をすれば

自分と違う人間を批判したり、

優劣をつけたり比べたり、

引きづり落としたりせず

互いを尊重し合えるのになぁと

つくづく思っているのですが

まぁこの世界には今だに容姿端麗で高収入とか、

勝ち負けとか、支配とか、フォロワーが多いとか、

どーでもいい常識や価値基準が

はびこってるので何とかしたいものですが、

何とかしようとすると必ず反発が生まれるので

単純に自分らしく自由に生きる人が増えれば

少しずつですが世界は変わっていくはずです。

人間いつか死ぬんだから自由に人生楽しみましょうや。

 

 

(※自由は怠けることではありません)